展示会の準備、正直かなり大変ですよね。
「集客に自信がない…」「誰も来てくれなかったらどうしよう」
そんな不安を抱えていませんか?
展示会は、ただ出展するだけでは成果につながりにくいもの。
集客には戦略的な準備と当日の現場力が必要不可欠です。
この記事では、事前集客から当日の対応まで、成果につながる展示会集客のコツをわかりやすく解説します。
見落としがちなポイントや実践しやすいノウハウもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 展示会集客の全体像
集客設計は、大きく3段階で構成されます。
- 【Step1】事前集客
・見込み客への案内メール送付
・SNSでの出展情報拡散
・広告出稿やプレスリリース配信
・既存顧客への来場誘導 - 【Step2】当日の準備
・視認性の高いブース設計
・導線、掲示物、キャッチコピーの最適化
・ノベルティやスタッフ体制の整備 - 【Step3】当日の運用
・積極的な声かけと対応力
・リアルタイムでのKPI(重要業績評価指標)進捗管理
・来場者の満足度アップと名刺獲得
この3つを並行して改善サイクル(PDCA)で回すことが、集客成功の近道です。
2. 事前集客に力を入れることのメリット
展示会での成果を左右するのは、「事前にどれだけ集客できているか」です。
実際、来場者の多くは目的を持ってブースを回っているため、あらかじめ関心を引いておくことで、ブースに立ち寄ってもらえる可能性が大きく高まります。
ここでは、事前集客がもたらす4つの具体的なメリットを、例を交えて詳しくご紹介します。
①確度の高い見込み客と出会える
事前にメールやDM、SNSなどで情報発信を行うことで、すでに“興味を持っている人”がブースに訪れる可能性が高まります。
例えば、展示会1週間前に以下のようなメールを送ったとします。
件名:『新製品を展示会で初公開!デモ体験予約はこちら』
このような案内を受け取って来場した方は、「製品に興味がある」「体験してみたい」といったモチベーションを持って訪れていることが多く、最初から商談につながりやすい“温度の高い(HOT)”リードになります。
②商談化率が上がる
展示会場では限られた時間・空間の中で多数の来場者が訪れるため、「その場での会話の深さ」が商談につながるかどうかを分けます。
事前集客をしておくと、来場者があらかじめ製品やサービスについて理解していることが多く、当日は“ニーズに即した話”に集中できます。
例:
- 事前に導入事例をメールで紹介しておく
- Webページで課題解決のストーリーを見せておく
こうした仕掛けをしておくことで、当日は「〇〇のような課題で悩んでいて…御社の導入事例が気になっています」といった具体的な会話からスタートできるようになります。
結果的に、名刺交換だけで終わる「薄い接点」ではなく、“商談につながる会話”が自然に生まれるのです。
③ブーススタッフの対応が効率化できる
事前集客によって“目的意識の高い来場者”を増やせれば、当日のスタッフ対応も非常にスムーズになります。
例:
- 「何の会社ですか?」という質問ではなく、「あの○○の機能は、実際どう使うのですか?」と聞かれる
- 製品デモにすぐ誘導できる
- 商談担当者へシームレスに引き継ぎやすくなる
つまり、「興味を引く説明」よりも「課題に応える説明」に時間を使えるようになります。
さらに、事前予約フォームを導入すれば、対応時間の見積もり・体制の事前調整も可能になり、混雑緩和や待ち時間の削減にもつながります。
④競合に先んじて認知を得られる
展示会は、多くの企業が出展し情報があふれる場所。
「当日になって初めて知ってもらう」では、競合に埋もれてしまうリスクがあります。
事前にターゲットへ自社情報を届けておけば、「あの○○という会社、ちょっと見ておこう」といった“意識的な立ち寄り”が生まれます。
この「記憶の先行獲得」は、当日のブース滞在時間や注目度に大きく影響します。
具体施策:
- SNSで「出展企業紹介リスト」に載るよう投稿を継続
- 展示会公式Webサイトに自社ブースの情報をしっかり登録
- メディアや業界サイトに出展リリースを発信して話題づくり
こうすることで「競合と比較される」ではなく、「指名で見に来てもらう」ブースを作ることができます。
3. 展示会の事前集客
3-1. メールによる集客
展示会前にメールを活用することは非常に有効です。
一斉に告知でき、しかも効果測定(開封率・クリック率)も可能だからです。
効果的な構成例:
- 件名:『【来場特典あり】○○展示会に出展します!』
- 本文:
・出展の目的と展示内容
・事前来場予約ページのリンク
・ブースの場所(小間番号)
・ノベルティや限定プレゼント情報 - CTA(行動促進):来場予約フォームへのリンク
配信タイミングの例:
配信タイミング | 内容 |
---|---|
2〜3週間前 | 来場案内・製品紹介・予約受付開始 |
1週間前 | 来場リマインド・ブースの見どころ紹介 |
3日前 | 会場案内・ノベルティ紹介・直前確認 |
開封率の高い時間帯(火〜木の午前中)を狙うのもポイントです。
3-2. その他の施策
メール以外にも、多角的なアプローチで集客力を高めましょう。
<SNS運用>
- X(旧Twitter):短文で最新情報をこまめに発信
- Instagram:製品写真、ブース準備の裏側、ストーリーズで臨場感UP
- LinkedIn:ビジネス向けに専門性の高い投稿
出展準備の裏側や現場の様子を画像で紹介し、
ハッシュタグ「#展示会名」「#出展企業名」で検索対策も意識します。
<Web広告>
- ターゲティング広告(業界・職種・エリア指定)が有効
- 展示会専用LPへのリンクを設定し、「予約→来場」に誘導
<DM・招待状送付>
- 役職付きの顧客や重要クライアントには紙の招待状が効果的
- ノベルティ同梱で印象づける
<プレスリリース・業界紙への出稿>
新製品やイベント企画があれば、メディア掲載の可能性UP。
4. 展示会当日集客のための準備
4-1. 展示ブースの準備
人が集まるブースの特徴
- 一目で何を展示しているかわかるパネルやバナー
- 歩きながら目に留まる位置に印象的なキャッチコピーとビジュアルで“記憶に残る”設計
- 製品やサービスの体験ゾーン(触れる・試せる)展示で来場者の滞在時間を延ばす
弊社では何度も再利用できる「インパクトブース装飾」をご案内しております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
4-2. ノベルティ
目新しさ+実用性+ブランド訴求の3つを押さえたノベルティが理想です。
- 実用品(オリジナルエコバッグ、USBメモリ、マグネット型カレンダーなど)
- 展示内容と関連したテーマで選定
- 来場後にフォローしやすくなる仕掛け(「名刺交換でプレゼント」形式にするなど)
4-3. 集客のための演出
来場者が多数のブースを短時間で回る中で、「立ち止まってもらえるブース」を作るためには、視覚的な演出+体験型の仕掛けが不可欠。
重要なポイントは、“記憶に残るブース”を設計することです。
① 視覚インパクトを狙う「アイキャッチ演出」
- ブース上部に高い位置の吊りバナーを設置
- キャッチコピーを大きく・読みやすく掲示
- 社名よりも「◯◯の課題、解決します」と課題ベースで伝える
- ブランドカラーやネオン調LEDで視線を引く
② 来場者を“巻き込む”体験型コンテンツ
- 製品デモンストレーション
- セルフ体験コーナー
- ミニワークショップ
- ビフォー・アフター比較
人は、「受け身」で見ているより「自分で体験」した方が記憶に残ります。
体験前にアンケート記入や名刺提出などで個人情報の収集も可能です。
③ 動画・音声・ライトで“動き”を加える
- モニターでサービス紹介動画をループ再生
- LEDライト演出(青系で未来感、赤系で目立ちやすさ)
静的な展示だけでは、通路を歩く人の目には留まりづらいことも。
「動き」「音」「光」は、人の視覚・聴覚を刺激し、自然と視線を集めます。
※音量・動きには、他ブースへの迷惑や見疲れが起こらないよう配慮が必要です。
④ SNS連動キャンペーンで“来場理由”をつくる
- 「#展示会名」などの投稿でプレゼント進呈
→ SNSにブース写真を投稿した人にプレゼント進呈 - フォロー&その場で限定ノベルティ進呈
- ブースの写真を撮るだけでくじ引きが引ける!(※SNS投稿が条件)
デジタル×展示会の連動は、若い来場者に特に効果があります。
⑤ ゲーミフィケーション要素で“楽しく覚えてもらう”
- クイズラリーやスタンプラリー
→ ブースを回る→答える→粗品プレゼント - スロット抽選器・ガチャガチャ
→ 名刺交換 or アンケートで1回チャレンジできる - AR・VR体験
→ 商品を仮想空間で体験できる(高価な機材がなくてもiPad等で可能)
展示会はあくまで「ビジネスの場」ですが、「楽しい」記憶と一緒になると印象が格段にアップします。
“楽しさ”が記憶に残りやすく、後のフォローでも「ブースの印象」が思い出されやすくなります。
4-4. 人員配置
1ブースにつき3役がおすすめ:
- 【集客担当】:通路での声かけ、チラシ配布
- 【接客担当】:デモ・説明・商談リード
- 【サポート担当】:名刺管理、在庫補充、アンケート回収
4-5. 名刺交換のフローを決める
- 名刺管理アプリ or スキャンツール導入
- アンケートと紐づけて「温度感」を数値化
- 展示会後のお礼メールを即日配信する準備
5. 展示会当日の集客
5-1. 当日の声掛け
展示会ブースでの集客を成功させる最大の鍵が「声かけ」です。
どれだけブースの設計や演出に力を入れても、「最初のひと言」で立ち止まってもらえなければ、商談にはつながりません。
< なぜ「声かけ」が重要なのか? >
展示会では、来場者が平均で数十ブースを歩きながら情報収集を行います。
つまり、情報が飽和しており、脳は「不要な情報は自動的にスルー」してしまう状態です。
このとき、ただ「いらっしゃいませ」「ご覧ください」では、他ブースと同じ“空気の一部”として処理されてしまうのです。
逆に、「あなたのことを考えて話しかけていますよ」というパーソナルな声かけは、足を止める大きな動機になります。
< スタッフ教育で差がつく!効果を出すための仕組み >
"声かけは属人化させない"
声かけの効果がスタッフのスキルに左右されないよう、事前にスクリプトを共有して練習を行うことをおすすめします。
< ロープレのチェックポイント >
- トーンは柔らかく、語尾を強くしない
- 相手の目線や歩くスピードに合わせる
- 声かけ後の会話導入をスムーズに(例:「何かお困りのことはございますか?」)
5-2. 会期中にKPI達成率を確認して改善をはかる
KPIで“声かけの質”も計測
- 声かけ→立ち止まった件数
- 立ち止まった→名刺交換した件数
- 名刺→商談化した数
数字を確認して効果が出ている声かけパターンをチーム内で共有し、リアルタイムで改善していきましょう。
6. まとめ
〜展示会の集客成功は「戦略」と「現場力」の掛け算〜
展示会での集客成功は、「ただ出展すれば人が来る」ものではありません。
事前準備・ブース設計・当日運営・その後のフォローの、4つすべてが有機的につながってこそ真の成果が得られます。
- ① 集客の鍵は「展示会の前」にある
- ② “入りやすくて、わかりやすい、思い出される”ブースを作る
- ③ 当日は「スタッフの動きと声かけ」で勝負が決まる
- ④ 展示会は「出展がゴール」ではない
展示会は、コストや手間がかかる分、正しく運用すれば圧倒的なリターンを生む場でもあります。
そして、集客とは単に人を呼び込むことではなく、「未来の顧客との関係づくり」です。
競合が並ぶ中で、“ただ並ぶだけ”にならないよう、一歩踏み込んだ設計と運用で、あなたの展示会を成果につながるイベントへと進化させましょう。